相続税の申告のご依頼を頂く中で、相続人の方々の中で財産の分割がまとまっていないことがあります。
やはり親族間で、裁判になるような争いは避けたいところです。我々は、申告準備の中で、相続人の方々のお話をそれぞれお聞きし、事実関係を整理していきます。
第3者的にお聞きすると、ささやかなことの積み重ねでボタンの掛け違いがおきているだけということがわかり、無事に良い方向に向かっていくことがあります。そのような仕事ができたときは、仕事の喜びも大きいものです。
さて、そもそも財産の分割がまとまらないと、税金の計算上で不利なことがたくさんあります。
このコラムでも以前書いている「小規模宅地の減額」は代表的なものです。一定の要件を満たすときは240㎡までの居住用宅地の評価が8割引きになるという規定がありますが、これは申告期限までに財産の分割が相続人間でまとまっていないと、適用を受けることができません。
「配偶者の税額軽減」についても、申告期限までに分割がなされていないと適用が受けられません。これは配偶者が相続した財産が、法定相続分以下の場合、もしくは1億6千万円以下である場合には、配偶者には相続税が課税されないというルールです。
財産の分割ができていないと相続税が高くなるということですので、財産の分割を迅速に進めさせる良い活性剤です。
「税金を安くする」ということで相続人間の目的を同じくすることにより、財産の分割がまとまるというのも、決して悪いことではありません。
上の世代の方々から相続をしてきた貴重な財産です。税の専門家である税理士の助言も受けて、スムーズな財産の分割を進めましょう。
正確なお答えができる様、ご相談は原則対面にて行います。お電話やメールだけでのご相談できません。